ホノカアボーイ / 吉田玲雄


ハワイ島の小さな村「ホノカア」でのゆったりした暖かい物語です。

自分の人生を振り返り、こんな貴重な経験をしていない、何か忘れ物をしてきたような思いに駆られます。
なかでも著者(ちなみに吉田カバンのご子息)を実の子どものように可愛がってくれる日系のおばあちゃん「ビーさん」とのやり取りは心温まるモノがあり、ビーさんのコトバの一つ一つがグサグサと突き刺さります。
お涙頂戴の安い感動モノではなく、ただゆったりと物語が進行していくだけですが、最後には自然に涙が溢れてくるのです。それは、著者が気負わず自分のコトバで経験を綴った優しい物語だからなのでしょう。

文句なしに2006年千葉賞受賞の作品です。

読み終わった後に久しぶりにおばあちゃんに電話してみました。
「東京タワー」を読んでお母さんに電話したあなた、これを読んで久しぶりにおばあちゃんに電話してみてはいかがでしょうか?


Posted at 01:07 | ???? (0) | ??????? (0)

うさぎ / 小沢健二


あの小沢健二の処女小説「うさぎ」を読んでます。
実父である小澤俊夫氏責任編集の「子どもと昔話」にて連載中です。
最初は「小沢くん、何があったの?」という感じの内容でしたが、まあ元々フリッパーズ時代はニヒリズムを歌にしてたし、ラブリーな時代を経験して辿り着いた結果として、長いこと聴き続けてきた古いファンには受け入れやすいかもしれません。
フリッパーズの頃の若さに任せた青臭いニヒリストっぷりよりも、もっと大人視点で、でも分かりやすく物語化してるなと思います。
これを読んでて思ったのは、岡崎京子さんが元気だったら今の時代をどんな風な切り口で漫画にするんだろうって、残念で堪らなくなりました。
 
ミュージシャン小沢健二の詞も評価が高く、好きな人も多いかもしれません。
そんな人には音楽と同じように入ってくると思います。興味のある人は読んでみてください。


ただ、第一話が載っている「子どもと昔話」25号は絶版で入手困難かもしれません。
ただでさえ発行部数が少なそうなのに、中古オリーブ少女たちがこぞって買いに走ったのかも。
とはいえ、小沢健二のサイトで第一話だけ、読むことも可能です。それか単行本化されるのを待つかですね。

発売当時は「何だかなあ」と思った「Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学」も、この物語のサントラして聴くと素直に受け入れられるかも。


Posted at 01:19 | ???? (0) | ??????? (0)

SOIL / カネコアツシ


文学を超える漫画もある。

下手な小説よりも秀逸なストーリー展開や文学、音楽、映画などからの絶妙な引用、ときには哲学的な思想も盛り込まれている。

カネコアツシさんの「SOIL」にハマっています。
狭い町に次々と起こる事件。
ひとつの謎が解けるたびに新しい謎が顕れる展開にどんどん引き込まれていきます。
「BAMBi」も好きですが、それ以上に好きな作品になりました。

様々なミュージシャンにリスペクトされ、ツアーTシャツのデザインなんかも手がけているカネコさんのイラストにはいつもロックを感じます。
 


Posted at 02:45 | ???? (0) | ??????? (0)

いまどきのこども / 玖保キリコ


小学生の頃、妹が「シニカル・ヒステリー・アワー」のコミックを集めてたのを盗み読みしてたのですが、大人になった今、この「いまどきのこども」と「シニカル・ヒステリー・アワー」を読み返すと、子どもの頃の感覚を取り戻せる気がします。

「シニカル・ヒステリー・アワー」は文庫で集めたのですが、「いまどきのこども」はこのハードカバーのコミックで集めたくて、今もブックオフを彷徨っております。だって、祖父江慎さんの装幀が素晴らしいんだもん。

80年代に小学生だった大人たちへ捧げます。


Posted at 00:57 | ???? (0) | ??????? (0)